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執筆者の写真medicaproject 医療福祉ライター今村美

施設で「せかせかしないケア」は難しい?!

年始に藤沢のUR団地の一角を拠点とする小規模多機能ぐるんとびーに、7歳の娘と3歳の息子を連れて1週間の泊まり込み取材をした。

このときのことはまた折にふれてちょくちょく書いていきたいのだけれども(あまりにもネタ満載で逆に書こうとしてもなにから書いてよいのやら逆に筆がとまるレベル)、ぐるんとびーに集うお年寄りたちは、外食日常、その日食べたいものを自分で選ぶのも日常、散歩に行きたいときは散歩に行くし、買い物したければ買い物に行く。スタッフが本人のそのときの気持ちに寄り添って、ぐるんとびーを利用している時間帯も自宅の延長線上にあるような生活を送られていた。 その後見学させていただいた特養の施設長と話をしている際、「おひとりおひとり、5分でいいから、座って話す時間を持つようにとスタッフには伝えているが、なかなかに難しい」との言葉を聞いて、スタッフがひとりひとりと向き合う時間がたっぷりとあった、ぐるんとびーに流れていたくつろいだ時間の流れを思い出した。 以前別のとある老人ホームを取材させていただいた際にも感じたことだけれど、ご入居者さんおひとりおひとりの生活リズムではなく、何時に食事、おむつ交換、入浴・・・とあらかじめ決まったタイムスケジュールで動こうとすると、その時間内にすべての対象者に対してケアを終わらせる必要があるから、スタッフはいつもせかせかすることになる。そのタイムスケジュールを捨ててしまったら、どうなるのだろう?

特養などの施設系で「せかせかしないケア」を実践されているところを取材したい!と思ったら、そういえば以前取材した宅老所「よりあい」の地域密着型特養「よりあいの森」がまさにそれじゃん!と思い出した。 ということは、できるってことだ、うん。

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