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執筆者の写真medicaproject 医療福祉ライター今村美

祖母と母と娘と

いじめやら不登校やら自由を謳うへんてこりんな学校やら諸々を経て、結局当時小6だった娘からの「ばあばの家から近くの公立小に通いたい」のひとことに、「その手があったか!」と、私たち夫婦始め周囲の大人がその案に乗っかり、子どもたちの教育環境を変えるために、13年住んだ山梨からメイン拠点を福岡に移して1年半。 中学卒業後に一旦家を出て寮生活をスタート、一時的に家から通った後に、高校3年から一人暮らしを始めて以来の実家暮らし。まさかまた地元に戻り、両親と一緒に住むことになろうとは、人生ほんと何が起きるかわからない。


一緒に住み始めると、あー、父親ってこんな人間だったよな、とか、母親って…と、おたがいさまでしかないのだけれど、いろいろと目にも鼻にもつく。いまさらたまに口喧嘩することはあっても基本的には受け流し、思っていた以上に平穏な日々が送れていることには感謝しかないのだけれども、私にとっては娘、わが母から見れば孫、という存在を通じて、再構築される関係性の可笑しみ。


「ばあばとは冒険はしたくないんだよね」という娘の話を聞いていたら、思わずわっかるわーと膝を打ってしまったわ。


思ったことはすぐに口に出してしまうわが母。よく言えば、素直で竹を割ったような人。が、私たち親子からしてみれば、悪口に思えるような「このお店は××」的な発言を平気でしてしまえる神経には、「えぇっと…ばあば?せめてお店出てからにしてくれないかな?」と物申したくなるときもある。


が、娘である私が余計なことを言ってしまおうものなら角が立つ。

が、孫娘が、「ばあばのそういうところ、どうかと思うよ。ばあばとは新しいお店に行くとか、冒険は絶対したくない!」と言ってきても、反論はするにせよ、大火事には至らない。

どころか、笑いすら生じる。


そのことをよく知る孫娘は、しらーっと受け流す娘を横目に、ざっくり切り込んで、

「孫ポジション、最強説」とのたまう。


「お父さんもお母さんも冷静に諭す系というか、あまり理不尽言わない系じゃん?あのまま山梨でお父さんとお母さんに育てられてたら、反抗期来なかったかもしれない。今ばあばに反抗期」という娘を見ていると、なにやら考えさせられるものもある。


今の共同生活もおそらくあと数年という期間限定であることがわかっているからでもあるけれど、母と孫娘のバトルが微笑ましい今日に感謝。









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