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  • 執筆者の写真medicaproject 医療福祉ライター今村美

他人がどう思おうと。~パートナー論~

パートナーというのは、相対価値ではなくて絶対価値だ。 だから他人がどう思おうと、傍からどう見えようと、アルコール中毒だとか多額の借金抱えていて、かつ状況の改善は見られないとか、よっほどの禁忌がある場合は別として、本人がよければそれでいい、と思う。

たとえばわが夫なんて、まだ付き合っていた頃、友人たちに「ありでもないけどないでもないよ」と微妙な評価をされていた。要は、「うーん!まぁ、ないね」である。 30歳を過ぎた頃、夫の独身寮に乗り込み(?)、「私と結婚をするといかに素敵なことが起こるか」をプレゼンし、さらには「専業主夫」を確約したらしいことは遠く記憶の彼方であるが、「生物として子どもを産む期限が迫っている。子どもを産むという人生経験をするか否かはともかくとして、するならば、逆算してそろそろ結婚する必要がある」的なことを淡々と語ったような気はしなくもない。

ロマンの欠片もないけれど、すべてのカップルにロマンが必要なわけでもない。 おそらく勢いにのみこまれるかたちで婚姻届が提出され、公的に認定されたカップルが一組誕生。一応写真は撮ったものの、結婚式もしていなければ、ウエディングドレスも着ていない。人生で一番の主役になれるらしい一日に、あまりにも興味がなさすぎた。 結婚して社宅に入ったら、専業主婦が多くてびっくりした。出身が遠方で近くにサポートしてくれる親がいるわけでもない、夫の帰宅は毎日深夜、平日は実質シングルマザー状態ではさもありなんと思うが、そんな中でもずーっと仕事をほそぼそとでも続けてこられたのは、そももそも仕事を辞めるという発想がなかったのが第一だけれど、「いつになったら僕を専業主夫にしてくれるんですか」と、日々夫にはっぱをかけられ続けているのも大きい。 金は天下の回りもの、宵越しの金は持たねぇ!と九州出身のくせに江戸っ子気質の私に対し、生まれも育ちも江戸なのになにわの商人のようなケチと紙一重の倹約家(決してケチではなく、必要と思えば気前よくポンっと出せるところがニクい)である夫。オーガニック病の悲しい性で、ついオーサワのそこそこ高い醤油を買えば、すかさず「キッコーマンの醤油ではなく、オーサワの醤油でなければならない理由はなんですか」というツッコミが入っていた。ある時、「オーサワの醤油だと私はおいしく料理ができる」というエビデンスのない理論を展開したら、あっさり採用され、わが家の醤油は無事オーサワさんにおさまった。 エビデンスを重要視しながらも、それだけを大事としないのは夫のよいところであるが、醤油ごときでパートナーにいちいち口を出されたら、「あ~ムリッ」という人は少なくないんではなかろうか。まさにわが母がそのタイプなので、えらく同情されるのであるが、ぶっちゃけ余計なお世話である。 それよりも、平日ガリガリ働いているにも関わらず、妻の仕事の関係で週末まるまる子育て担当になってもそれを当たり前のこととしてさくさくこなし、疲れて帰ってきたところに妻に落合陽一の素晴らしさについて熱く語られてもなるほどなぁと思えるツッコミを入れることができ、大学院やらなんやら妻のやりたいことになんだかんだで巻き込まれてくれるという点で、文句のつけようがない。 もう一度言うけれど、パートナーは相対評価ではなく絶対評価だ。 他人がどう思おうと、自分がどう生きたいかの価値観に合っている人であるかが大切。 というわけで、このままでは結婚詐欺になってしまうので、「専業主夫」を実現すべく、稼がねばならん、というお話。

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