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  • 執筆者の写真medicaproject 医療福祉ライター今村美

『「卵子の老化」と「高齢妊娠」の真実』

2013年に出産ジャーナリスト・河合蘭さんの『卵子老化の真実』が出た時に、やっとこのテーマに深く切り込んでくれる本が出たと周囲にすすめまくったのだけれど、今年1月に出版されたのが、産婦人科医の河野美香先生による『「卵子の老化」と「高齢妊娠」の真実』。

産婦人科医が卵子の老化のこと、不妊のこと、高齢出産のこと・・・について、わかりやすく解説し、Q&Aに答えた一冊。 さらっと読めるのも嬉しい。 本にも書かれているとおり、卵子の老化といっても個人差があるし、出産適齢期が一般的に20歳代~35歳といったところで30代後半でさくっと問題なく出産できる人もいる。だからこそ、自分のライフプランとかキャリア形成との狭間で女たちは揺れるわけで。

そもそも子どもを持つ持たないは個々の人生だし、子どもが必ずしも自分のDNAを引き継いでいる必要もない。 ただし、これだけは言えること。女性には、妊娠・出産のリミットがあるということ(医療がカバーできる部分ができてきたとはいえ)。女性に限らず男性も高齢になるに伴い不妊や染色体異常のリスクを高めるとはいえ、女性ほど明確なリミットがあるわけではない。 卵子や妊娠・出産に対する適切な知識を持っておくことは、自身がのぞむ人生により近づくためにも必要なことだと思う。できれば中・高校生、大学生くらいのときには知識を得ておきたい。

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