medicaproject 医療福祉ライター今村美
超早口の正論。母親の必殺技ってやつ。

東京ビックサイトでの仕事を終えた夕方、新宿までのりんかい線。
新木場だったか、そのあたりで3人の息子と両親の5人家族が乗り込んできた。
一日中遊んで疲れ果てた模様の子どもたち。小1~2年生くらいの次男坊がグズグズ。
「◯◯君、次で降りよう。次で降りるか、降りないのか、どうするの」というお母さんの剣幕にとりあえずはグズグズを引っ込める。
ものの、ほかの兄弟にいじわるを言ってみたりなんぞして紛らわせている。
それに対するお母さんの「あなたがイライラ人にあたって、周りまでイライラさせるのか、それとも楽しく周りにもやさしくして、みんな幸せに過ごすのかはあなた次第で、選べる。さぁ、どうするの」的な内容を超高速の早口でまくし立てている言葉が。言葉が!
あまりにも既視感がありすぎてクラクラする。
なに、これ、デジャヴか?
おかあさん、正しい!正論!言っていること、ものすんごくよくわかる。てか、私かと思ったわ!
で、そんなときに夫によく言われる、「あなたは子どもには厳しいよね。私に話すみたいに冷静に話したらよいのに。そんな早口で言われても、子どもたちは何を言われているのかすらついていけないよ。もっとゆっくり話してあげたらよいんじゃないかな」って言葉が頭を過る。
こうやって第3者的立場から冷静に眺める機会があると、「うんうん、お母さんの言ってること、よくわかる!」なんだけれども、「うん、でもそんな早口の正論じゃあ、子ども逃げ場ないわ~」「余計なんかいじわるとかキーキーとか言いたくなるわぁ」ってこともよくわかる(-_-;)
小4くらいの長男くんがこれまたよくわきまえていて、非常によいお兄ちゃんっぷりなんだけれども、つい爪をかんでしまう癖があるらしく、こっちで次男坊に正論かましながら、あっちの長男に「爪噛んでるよ」と声が飛んでしまうあたりにもデ~ジャ~ヴ~。すぐさま「あ、ごめんなさい」と謝る長男の健気さがこれまた。
年中さんくらいの3男はちゃっかり抱っことかしてもらって、そりゃあ、次男、ますます「なんだよー、ずるいー」心からあまのじゃくにもなろうというもの。
ちょいと子どもの視点に立ってみれば、こんなにもよくわかるのに、なぜ母親って生き物は、というか、このお母さんと私だけかもしれんが、超高速で正論まくし立ててしまうのか。
お父さんが、そんなお母さんを否定することなく、子どもをフォローしつつもさりげにダメなことはダメと諭している感じが、これまたデジャヴ…
なにやら思わぬところで、学びを得た帰りみち。
でもまた超早口正論攻撃、やっちまうんだろうけどな。 見ず知らずのお母さん、お互いがんばろ!