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執筆者の写真medicaproject 医療福祉ライター今村美

パートナーの‘理解’ってやつ。

長期休みに子連れで住み込み取材したり、大学院通ったりなんぞしていると、よっぽど「自由な奥さん」に見えるのか、「理解のある旦那さんですね」という言葉をよくかけられる。

そのたびに「理解」という言葉にひっかかって、「理解」という言葉をもう一度飲みこんでから、「ありがたいですよね~」等々の言葉が出てくる。

確かに「理解のある旦那さん」なのだろうけれど、夫からは「僕は妻の仕事やライフスタイルにこんなに理解があるんです」的な前のめりな要素はまったく感じられない。

そもそも子連れで取材したり大学院へ行ったりすることに、パートナーの「許可」も「理解」もいらない。と言いたいところだけれど、相手のライフバランスに影響しているのも間違いないので、さすがにそうとも言えない。

でも別に「理解」しているから協力的なわけではなく、パートナーの仕事やらなんやらで「家事育児不可」という事実に対して、必要に迫られて淡々と家事育児を担っているだけだ。多くの妻たちがそうであるように。

一方、1週間のうち、週4~5日は夫の協力はほとんどなし、ワンオペ育児をしているにも関わらず、夫が「理解のある奥さんですね」と誰かに言われるかと言えばもちろんそんなことはなく、むしろ「妻の大学院」という理由で定時に帰らなくてはいけなかったり、週末に「妻の仕事」で家事育児担当になることも少なくない夫は、「お前、大変だな」と同情されることのほうが多い。たぶん。 パートナーシップのあり方は人それぞれだから、妻がワンオペ育児で夫はひたすら仕事に邁進していても、パートナー間で不平不満なく、お互いが心穏やかに豊かな人生が歩めているよというのであれば、それもよし(ただし、たとえ本人がよしとしていても、DVとかはもちろん論外)。 あなたのパートナーシップはそうで、私のパートナーシップはこう。お互い満足しているから、まぁいいよね、というだけの話である。他人と比べるものでも何でもなく、それぞれのカタチを尊重すればいい。 とはいえ、やりたいことだらけの私が、とりたててやりたいことがないという夫から、「やりがい搾取」ならぬ「やりたいことないゆえの搾取」している感は否めないので、わが家のパートナーシップは大いに改善の余地ありであることは認めざるを得ない。

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