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  • 執筆者の写真medicaproject 医療福祉ライター今村美

読書メモ:落合陽一氏の『日本再興戦略』

愉快。痛快。 たまたま駅地下の本屋で手に取った本著。

落合氏の本はちょっと手に取ったつもりが数ページめくるとレジに向かう羽目になって困る。

彼の本を読んでいると、ドーパミンがどばどば分泌されている感じがする(笑)

読中のワクワク感、読後の幸福感ときたら。

脳みそってこんなふうに使うんだなぁ。 真のエリートって、こういう人のことをいうんだなぁ。

悲観論でいっぱいの日本だからこそ、落合氏のような知性が登場してくるのだろうと思う。

彼の日本の現状把握と分析、描く未来予想図には、共感しかない。

英語教育一つをとっても落合氏は、

「発信する内容もないのに、英語を学んでも意味はありません。むしろ、グローバル人材という言葉が広がったことで、グローバルに話ができるトコロテンみたいな人(右から左に流すだけの人)が増えただけで、その分、実はコミュニケーションスピードが遅くなっています」(p59より引用)

と語る。

トコロテンって~(笑)

私自身は、英語を話せることよりも、それが英語であっても構わないけれど、深く思考できる(たとえば、落合氏の本を読みこなして、実際の行動に移せるレベルに思考できる)言語をひとつは持っていることが重要だと考えている。 ただし、英語だけという幅のない世界はくそつまらないし、日本語という言語が大好きなので、自身の子どもたちの言語も、最終的には自分たちが選択することなので強制はしないけれども、英語含めた他の言語よりも日本語であってほしいなぁとはうっすら思う。 この思考に基づき、いずれ翻訳機能が追い付いてくるとはいえ、現時点では英語を話せたほうがいいことは間違いないので、子どもたちにもある程度の英語教育は施すのだろうけど、それ以上に日本語教育を強化するのだろうな、たぶん。

大体、大学時代よーいドンで中国語を学び始めた友人たちが中国へ留学して、卒業後には仕事で使いこなすレベルで話せるようになったのを見てきたこともあり、言語はその気になればいつからだって遅くないという実感もある。

本当のところを言えば、「必要だと思った時に必要な言語を学べばいいんじゃない?」と思っている。

結局のところ、「重要なのは、英語そのものではなくて、発信すべき内容があるかどうかなのです」という落合氏の言葉に尽きる。 ほかにも共感痛感箇所は多々あって、いたるところに付箋だらけ。

「ホワイトカラーのおじさんたち」のくだりもニンマリしながら読み進めてしまった。

「今、どこの会社でも、圧倒的にGDPを下げているのはホワイトカラーのおじさんたちです」と鋭く名指ししながらも、「ホワイトカラーのおじさんたち」が生き残るための具体的戦略まで提示する。メスは入れるけれど、バッサリ切り捨てたりしない。みんなが生き残るための戦略を、具体的で、実行しようと思えばできる、現実的な解決策まで提示する彼のあり方こそが共感の最大の所以かもしれない。

ドキッとしたのが次の箇所。

「僕は「日本再興戦略」とは、改革や革命ではなく、アップデートだと思っています。

 改革や革命は対抗勢力を生み出します。勝者と敗者を生むゼロサムゲームに陥ってしまいます。そうではなく、今の世の中と違う考え方を出しながら、今の世の中とどう折り合っていくかが重要なのです。そのためには、今パイを持っている人たちをさらに儲けさせてあげられるような仕組みを考えてあげないといけません。」

医療・介護の現状を変えていきたいと思ったときにも、この考え方は大いに有効だ。改革や革命ではなく、アップデート。肝に銘じる。

「ポジションを取れ。批評家になるな。フェアに向き合え。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら、あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ。明日と明後日で考える基準を変え続けろ」

こんなメッセージを発信するから、トキメイてしまうじゃないの。

頭がフル回転して、ワクワクする『日本再興戦略』。

医療・介護業界の人たちにも読んでほしいなぁ。

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