とある社会福祉法人の経営者との打ち合わせ。
派遣会社からの紹介だった新規入職者が、初日から「教育係がいない」と派遣会社にクレームをつけ、翌日「辞めます」と去っていった話からスタート。
福祉の現場あるあるといえばあるある。
ちょうど数日前に、退職代行サービスを提供する会社が新入社員からの依頼も多く、今月に入って依頼が急増中とニュースに出ていたのをみたばかり。
教育係がいないとのクレームだったそうだけれど、初日にはその人が所属された施設の施設長の1on1オリエンもあり、「それは介護ではない。たとえばお風呂に入りたくないというならば、僕は入れません」的な発言が飛び出して、「ハテ?」となったそうだが、その話を聞いていて、オムツ外し学会で三好春樹さんがおっしゃっていたことを思い出す。
本人の自己決定を大事にしていたら
風呂に入らない婆さん
死にたい爺さん
であふれてしまう
大切なのは、自己決定ではなく、共同決定
ケアで大切なのは、共同決定だ、と。 本人が拒否するその核にあるものに眼差しを向け、一緒に落としどころを見つけていく。
共同決定のプロセスにこそ、介護の、ケアの、おもしろさがある。
その共同決定のプロセスは、時に解決困難に思えることもあるけれど、これはどう?これでダメならこっちはどうよ?と試行錯誤して、最後はケアされる人とケアする人の垣根もよくわからなくなって、一緒に愉快なゴールに辿り着く。
はたから見たら絶体絶命の状況ですら、プロフェッショナルとしての知恵と冷静さを併せ持ちながら、ユーモアでくるっと包んでしまう福祉の世界の人たちが私は大好きだ。
その社会福祉法人のトップもクリエイティビティにあふれるソーシャルワーカーでもある。
せっかくいろんなことを学べる素敵な人に出会ったのに、もったいないことだよなぁと思うけれど、案外自分もそんなことをやってしまっているのかもしれないなぁ、とも、ふと思う。
さぁて、ケアの世界の奥深さ。やっぱり伝えていきたいよなぁ。
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