今日の一冊:『キミがいるから』
- medicaproject 医療福祉ライター今村美
- 7月5日
- 読了時間: 1分

「どうしてもほしいんですが?」
と、娘が本屋で繰り返し訴えかけてきた一冊。
絵の雰囲気といい、文章の紡ぎ方といい、娘の好みド直球。
たしかに、可愛い。
ペンギンと猫の組み合わせなんて、ズルいにも程がある。
中3女子がその可愛らしさに抗えるわけがなかろう。
そして、本をほしがるわが子の懇願に母が抗えるわけもなかろう。
「私、この本を死んだら読むわ」という娘に
「いや、死んだら読めんだろう」というと
「じゃあ死にたくなったら読むわ」というので、
「死にたくなる前に読んでくれ」と返すと、
「この本読んでたら、死にたくならないと思うわ。支えになるから」
という。
本冥利に尽きる、本の使われ方だと思う。
車の後部席で娘が音読をしながら、
「オシャンティ」
「うんうん」
「お母さんも読んだほうがいい」
と、ひとり合いの手を入れる娘が愉快で愛しくて、母はにまにましてしまう。
へいへいぼんぼんなしあわせを、ありきたりにかみしめもせずに、あじわう。
たくさんの本に出会って、たくさんの人に出会って、愉快に生きてゆけ。
キミがいるから、今日も愉快がまたひとつ。
まなつ&まふゆ『君がいるから』
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