夏の終わりの恒例行事。
公益社団法人シャンティの「絵本を届ける運動」。
絵本を購入して、その国の言葉に翻訳されたシールを貼って送るボランティア。
今年選んだ本は『せんそうがやってきた日』。
今年の言語はビルマ語だったけれど、他にクメール語、ラオス語、カレン語、ダリー語、パシュトー語。
年に数回、イギリスで出会ったNavyのことを思い出すタイミングの一つ。
ポルポト派に家族が殺されて、母親と命からがらフランスに逃げてきて、イギリスで住み込みのハウスキーパーであるaupairをやっていたNavy。
Navyのように祖国を追われてきた難民の人たちに、定年後、タダ同然で英語を教えて、
永住権であるグリーンカードが取得できるようサポートしていた元教師のイギリス人女性。
スティック持って叱る、それはそれは怖いおばあちゃん先生だったけれど、
厳しさの中にあるやさしさとユーモアはちゃんと生徒たちに伝わっていたな。
なぜか彼らと机を並べて一緒に英語を教わっていた私は、むしろ異色だったと思う。
彼らが私に語ってくれた、それぞれが背負ってきた人生はあまりにも壮絶で、平和ボケした日本からやってきた私には、教科書や映画で接する世界のように遠かった。
交わした連絡先はいつの間にか使えなくなっていて、いま彼らがどこでなにをしているのかは知るよしもない。
グリーンカードは取得できたんだろうか。
日本人が一人もいないイギリスのど田舎で、慣れないベビーシッターにてんてこ舞いしていたハタチそこそこの私を支えてくれた人たち。
きっともう会うこともないのだろうけれど、どうか愉快に暮らしていますように。
でも、もしまた会えたら、びっくりしすぎて、きっと大笑いする。
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