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February 17, 2018

今日は緩和ケア研究会のメンバーの車にのっけていただいて、甲府で開催の秋山正子さんの講演会へ。

訪問看護の先駆者として知られる秋山さんは、訪問看護ステーションだけでなく、暮らしの保健室にマギーズセンター東京と次々と新しい試みにチャレンジされていて、スーパーナースのイメージが強い。

そんな秋山さんの「地域を耕し、日々を積み重ねていたら、新しい発展を生むチャンスに巡り合った」という言葉は、ずしんと響く。

医師だって、はじめから在宅医療に精通した医師がいたわけではなく、日々の診療の先に在宅があって、その在宅に踏み込んでくれる医師をスカウトしていった結果、在宅のできる医師が育っていった。

そうやって地域を耕していった先に、暮らしの保健室ができ、マギーズセンターができた。

上手に訪問看護等々を使って重装備にならない、「ほとんど在宅、たま~に入院」。
これを実現できる地域をつくろうと思ったら、地道に耕していくしかない。
当たり前のことだけれども、この大事なことを再認識させてもらう、とてもよい講演会でした。

お昼を済ませて、午後からはふくしま共同診療所院長の布施幸彦さんの講演会へ。

「ふくしま」で起こっている、普段目をそらしていることの一部を知ることには、罪悪感が伴う。というよりも、むしろ、罪悪感しか、ない。そもそもこうして書くことすらためらわれる。結局のところ東電から送られてくる電気を使いながらも、福島産の食べ物を避けて、のうのうと生きている人間に言えることなんか、なにもない。ただ、ずっとこころにとめながらも、この7年ずっと足を運び損ねている福島には、会いに行きたい人がいて、その人が語る福島のことが聞きたいと、こころから思った。今年こそ行けるだろうか。

February 16, 2018

ぐるんとびーでは毎日のように見学やら取材やらの訪問者がいらして、いかに注目されているかをひしと実感したわけだけれども(←みな目の付けどころは一緒~)、最後の最後でお会いしたのが作業療法士で京滋摂食・嚥下を考える会の世話人で医療・介護(ケア)・教育からつながる「楽」を考える会代表(そのほかにもおもしろげな肩書多数ですが以下省略、笑)の山下和典氏。

山梨の自宅へ帰る支度もすんでいざ帰ろうという時に、ぐるんとびーに遊びにいらした山下さんと出くわし、ちゃっかりいただいたのが京滋摂食・嚥下を考える会が京都の菓子メーカーと開発した「やわらか羊羹」。

舌でつぶせて、やわらかい。飲み込みしづらくなった方でもおいしく食べられる羊羹。実際食べてみると、ふしぎな口どけ。口の中ですーっととける。それから、これとっても大事なことだと思うのだけれど、見た目もふつうに羊羹だし、味もおいしい!さすが京都な上品なお味❤

HPを見たら、やわらか羊羹のほかにも、水羊羹、さくら餅、合わせ餅、わらびもち、みたらし団子などのラインナップがあって、どれも食べてみたかったものの、ひとまず取材の際の手土産用にやわらか羊羹を注文。ちなみに、どのお菓子もすべて嚥下調整食に入っているそう。

https://www.minoyo-food.co.jp/engesyoku

山下さんは食べることだけでなく、出すこと(排泄)にかかわる活動にも精力的だけれど、これも本当に大事な視点だと思う。食べることと出すことはセットで、両方生きることの質と密接だ。


「わくわくしたいだけなんですよ」と山下さんはおっしゃっていたけれど、医療や介護の世界って、課題も山積み、明るくない未来ならいくらだって描けるけれど、こういう人たちがいるから本当におもしろい。こちらも「わくわく」したくなって、取材したい人も場所もどんどんどんどん増えていく。あー、困った!



 

February 15, 2018

年始に藤沢のUR団地の一角を拠点とする小規模多機能ぐるんとびーに、7歳の娘と3歳の息子を連れて1週間の泊まり込み取材をした。


このときのことはまた折にふれてちょくちょく書いていきたいのだけれども(あまりにもネタ満載で逆に書こうとしてもなにから書いてよいのやら逆に筆がとまるレベル)、ぐるんとびーに集うお年寄りたちは、外食日常、その日食べたいものを自分で選ぶのも日常、散歩に行きたいときは散歩に行くし、買い物したければ買い物に行く。スタッフが本人のそのときの気持ちに寄り添って、ぐるんとびーを利用している時間帯も自宅の延長線上にあるような生活を送られていた。

その後見学させていただいた特養の施設長と話をしている際、「おひとりおひとり、5分でいいから、座って話す時間を持つようにとスタッフには伝えているが、なかなかに難しい」との言葉を聞いて、スタッフがひとりひとりと向き合う時間がたっぷりとあった、ぐるんとびーに流れていたくつろいだ時間の流れを思い出した。

以前別のとある老人ホームを取材させていただいた際にも感じたことだけれど、ご入居者さんおひとりおひとりの生活リズムではなく、何時に食事、おむつ交換、入浴・・・とあらかじめ決まったタイムスケジュールで動こうとすると、その時間内にすべての対象者に対してケアを終わらせる必要があるから、スタッフはいつもせかせかすることになる。そのタイムスケジュールを捨ててしまったら、どうなるのだろう?

特養などの施設系で「せかせかしないケア」を実践されているところを取材したい!と思ったら、そういえば以前取材した宅老所「よりあい」の地域密着型特養「よりあいの森」がまさにそれじゃん!と思い出した。

ということは、できるってことだ、うん。

 

February 14, 2018

昨年末に鳴沢にある特養・富士山荘の施設長と認知症カフェを通じて知り合ったことから見学へ。

富士山荘では保険外サービスとして公文を取り入れている。

公文というと、小学生が親に言われてしぶしぶ通い、しぶしぶ毎日プリントをこなしているうちにまぁ学力はついているよね的なものだと解釈していたのだけれど、高齢者向けにもサービスを展開しているという。

はて、どんなものか?と思っていたらば、私の2倍以上の人生を生きている女性が20代のスタッフ先生を前に背筋をぴっ、「生徒」になって学んでいらっしゃる姿は予想に反して感慨深かった。

いまの80歳代以上だと、学校に行けず、「学校」というものに対する憧れのようなものを抱いている方も少なくない。生徒になる疑似体験を味わえる公文は、案外悪くないのではと公文への印象が変わった。

もちろん世代にもよるだろうし、人にもよるだろうから、合わない方には合わないサービスだろうけれど、マッチして「楽しみ」になっていらっしゃる方もおり、中には家で宿題までやってこられるほど熱心な方もいるという。これが普段あまり話さない息子や孫とのコミュニケーションツールになって、家族の会話が増えたというケースも。

結局のところどんなサービスも「人とのかかわり」を生んでいるかというところが大事なんだろう。

実際、プリント自体も回想法ではないけれど、自分の幼いころを思い起こさせるようなストーリーで「私が小さな頃はこんなだった」「そういえば昔はあんなことがあって」と若いスタッフに昔のことを伝えつつ、会話のきかっけになっていくことも少なくないという。

プリントによる脳の活性化で認知症予防にも・・・という謳い文句もあるにはあるだろうけれど、富士山荘ではスタッフが1対1だったり、2対1だったりで公文に対応しているため、普段座って話す時間をなかなか取れない中、しっかりそのおひとりと向き合う時間になっていることも大きい。結局のところ、つまり、コミュニケーションツールとしての公文。

普段誰にも言えずにいる家族への不満なんかを吐き出してくれることもあり、それが日々のケアにつながっていく。

たったおひとりのためにスタッフが専属となって時間をとられてしまう痛手や保険外サービスであるがゆえに「どうしてあの人だけ」という不公正さも生んでしまう課題をもってしても公文を取り入れるわけは、そこにある。

ち...

February 13, 2018

2013年に出産ジャーナリスト・河合蘭さんの『卵子老化の真実』が出た時に、やっとこのテーマに深く切り込んでくれる本が出たと周囲にすすめまくったのだけれど、今年1月に出版されたのが、産婦人科医の河野美香先生による『「卵子の老化」と「高齢妊娠」の真実』。

 

産婦人科医が卵子の老化のこと、不妊のこと、高齢出産のこと・・・について、わかりやすく解説し、Q&Aに答えた一冊。

さらっと読めるのも嬉しい。

本にも書かれているとおり、卵子の老化といっても個人差があるし、出産適齢期が一般的に20歳代~35歳といったところで30代後半でさくっと問題なく出産できる人もいる。だからこそ、自分のライフプランとかキャリア形成との狭間で女たちは揺れるわけで。

そもそも子どもを持つ持たないは個々の人生だし、子どもが必ずしも自分のDNAを引き継いでいる必要もない。

ただし、これだけは言えること。女性には、妊娠・出産のリミットがあるということ(医療がカバーできる部分ができてきたとはいえ)。女性に限らず男性も高齢になるに伴い不妊や染色体異常のリスクを高めるとはいえ、女性ほど明確なリミットがあるわけではない。

卵子や妊娠・出産に対する適切な知識を持っておくことは、自身がのぞむ人生により近づくためにも必要なことだと思う。できれば中・高校生、大学生くらいのときには知識を得ておきたい。

February 9, 2018

先週末は日本ジャーナリスト協会の医療ジャーナリスト基礎講座へ。

これまで一匹狼と言いますか、一人淡々と、独学で?、仕事してきましたが、今年は「学び、実践する」がモットー(あと、実践のための仲間を増やす!)。4月からの大学院もその一環。

第1回は、4月からの師でもあるゆきさんこと大熊由紀子氏。タイトルは、「鳥の目、虫の目、疑う目」(当日はこれに'歴史の目’が加わり、サブタイトルに'~想像力と度胸~'がついていました)。

講座の中で心に刺さったのは、既存の言葉を疑ってみるということ。

終末期、特養待機者、寝たきり老人、徘徊、抑制、認知症患者、国民負担率、受け皿、ワクチン、IC、COIなどが例に挙げられていましたが、たとえば特養待機者という言葉。
別に当のご本人は率先して特養に入りたいわけじゃない。できることなら入りたくないし、むしろ住み慣れたわが家で暮らし続けたい。つまり別に待ってなーい!

にも関わらず、そんなに待機者がいるのならば、もっと施設を増やさなくては・・・というお役所的発想にも結びつく。
これを「在宅支援不足者」「在宅支援待機者」と言い換えたならばどうだろう?
在宅を支える人材と仕組みをつくらなくては!となるのではなかろうか、と。

一方で、参加していた同業者の方々とのグループワークでは、「たとえば『徘徊』という言葉を使いたくなかったとしても、WEBメディアではより一般に普及した言葉で検索される傾向にあるため、情報を届けたい人に届けるためにはその言葉を使わざるを得ない現状もある」。

既存の言葉を用いながらも、その言葉自体を言い換えていく作業が求められていると思う。

ジャーナリストの提言が社会を動かす原動力になることもあると、自らの経験も踏まえたゆきさんの講義はとっても刺激的でした!

最後に、当協会の会長である水巻中正先生の「ジャーナリストに必要なのは好奇心と隠された怒り」という言葉もしっかり心のノートにメモ。課題山積みの医療・福祉の世界にあって、なんとかしようとしている人たちへの'好奇心'と、当たり前が当たり前でないことがたくさんある医療・福祉の世界への'隠された怒り'。

介護の(現在の)スタンダードだと多くの人が思っているものは、決してスタンダードではない。私がこれまで取材してきた施設や介護事業所は確かに志が高く、全国での「先進事例」といわれるようなところばかりかもし...

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